カラダと運動の基礎知識

トレーニングを効果的に行うためには、カラダのこと動作の仕組みを知ることがカギ

筋肉を構成する筋繊維

筋肉というのは、筋線維と呼ばれる非常に細い繊維が集まって作られています。

その大きさは、直径0.02~0.1mm、長さ1mm~50cmまでの大きさで、この筋線維自体も、さらに細い筋原線維が集まって作られています。

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筋原線維の中には、アクチン・フィラメントとミオシン・フィラメントと呼ばれる2種類のタンパク質があって、1本のミオシン・フィラメントの周りを囲むようにアクチン・フィラメントが並んでいます。

アクチンフィラメントは、筋収縮を理解する上でとても重要で、細胞間の接着・細胞分裂・筋肉の収縮などに重要な役割を果たしており、アクチンフィラメントがミオシン・フィラメントの間に滑り込むようにして筋肉が収縮しています。

この仕組は、ミオシンにクロスブリッジと呼ばれる突起がたくさん並んでいて、筋肉に対して「力を発揮しろ」という命令が伝達されると、このクロスブリッジがミオシンを取り囲んでいるアクチンと素早くくっつき、アクチンを引っ張り込むように内側に引き寄せます。

つまり、ミオシンがアクチンを引き込む力によって、筋肉全体が短くなり、力を発揮していることになります。

さて、筋肉の動き方がわかったところで、ミオシンがアクチンを引き寄せるためのエネルギーってなんでしょうか?

ミオシンやアクチンが存在するだけでは、筋肉は動きません。 まず先程のクロスブリッジを動かすための力が必要で、この力は、筋肉の中にあるアデノシン三リン酸が筋肉の中にある酵素によって分解され、この分解される瞬間にエネルギーが生まれ、クロスブリッジを動かすのです。

アデノシン三リン酸

アデノシン三リン酸は、全生物界で広くエネルギー代謝の中心的役割を果している高エネルギーリン酸化合物で、生物体内のほとんどあらゆる場所に存在して重要な働きをしており、特に筋肉に多く存在しています。

アデノシン三リン酸は、ATPとも呼ばれていて、人が摂取した炭水化物、たんぱく質、脂肪は人体で消化吸収され、その分子は三つの段階(解糖、クエン酸回路、電子伝達)を経てエネルギー源としてのアデノシン三リン酸をつくります。

もし、このATPが不足すると、人はどうなるのでしょうか?

ATPが不足した場合、多くの慢性疾患を引き起こします。 そして、人間だけに関わらず、どの生物も、このATPが無くなると死に至ります。

つまるところ、私達が食事をするのは「お腹が空いたから」「美味しいものが食べたいから」という単純な欲求だけではなく、生体が生きていくため、生命維持や細胞活動に必要不可欠なエネルギー「ATP」を作り出すことが大きな目的なのです。