カラダと運動の基礎知識

トレーニングを効果的に行うためには、カラダのこと動作の仕組みを知ることがカギ

脳・神経

身体能力の調節と思考を担っている脳・神経系は、大きく分けると「中枢神経」と「末梢神経」に分けることができ、中枢神経には脳と脊髄があります。

この中枢神経は、体の隅々にまでひろがっている末梢神経から送られてくる情報を受け取り、それに応じて指令を発するコントロールシステムの役割をはたしています。 f:id:tihabit:20171218173729j:plain

脳は、脳幹、小脳、間脳、大脳からなっており、大脳の運動野という領域で身体各部の調節や統制を行っていて、間脳は自律神経の働きを調節、意識・神経活動の中枢をなしています。

小脳は、筋肉の協調を調節していて、かつては、人が立ったときに倒れずにまっすぐ立つことや指先での細かな作業などだけの働きだと言われていましたが、近年では運動の補正・学習、つまり「体で覚える」という行為、何も考えずにできる行動は全ては小脳が覚えているからこそできると言われています。

末梢神経

手足を動かしたり、意識的に動かす運動器、感覚器などをコントロールしている神経を「体性神経系」、心臓や呼吸、体温調節など意識でコントロールできない神経を「自律神経系」といいます。

性神経系は運動や間隔をコントロールする神経で、「感覚神経」と「運動神経」に分けられ、動物性機能に関係する神経であることから動物性神経と呼ばれます。

自律神経系は、「交感神経系」「副交感神経」に分けられ、お互いに作用しあい、バランスを取っています。

筋肉系

人の体には、約600近くの筋があって、骨格筋、心筋、平滑筋の3つに分類することができます。

骨格筋

骨格筋は、一般的には「筋肉」と呼ばれていて、「使う」こと、つまり鍛えることによって、肥大し筋力増加となりますが、「使わない」と萎縮し筋力が低下するという性質を持っています。 また、骨格筋は自分が意識して動かすことができるため、「随意筋」とも呼ばれています。

f:id:tihabit:20171213154218j:plain

筋肉と言えば、先程のように体を動かすためのものだと思われがちですが、実はその他にも様々な働きをしていて、実は体温の保持に必要な熱は、約3分の2が筋収縮によって供給されています。

また、筋肉は外部からの衝撃を吸収する役目があり、体の骨や内蔵などを守っています。

ふくらはぎを鍛える

よく、ふくらはぎは第二の心臓だと言われますが、なぜそのように言われているのか知っていますか?

心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような役割を果たしていて、大動脈に血液を流しています。 そして、静脈から心臓へと血液は返ってくるわけですが、この戻ってくる血液は心臓が引き込んでいるわけではなく、実はふくらはぎが、重力によって下半身にたまった血液を心臓に戻すポンプの働きをしているのです。

それ故、ふくらはぎが第二の心臓と呼ばれていて、ふくらはぎを鍛えることによってメリットはたくさん生まれてきます。

例えば、女性であれば、冷えやむくみに悩まれるかと思いますが、ふくらはぎを鍛えてあげるだけで、解消に繋がります。

もちろんがっつりと鍛える必要もなく、簡単なことから始めるだけでも効果は絶大です。 まずは、ふくらはぎをもんでみる、温めるということだけでも行うと、代謝が違ってきますよ!

心筋

心筋は、平滑筋と同様、自分の意識とは関係なく動いていて「不随意筋」とも呼ばれています。 文字通り、心臓を構成する筋肉のことです。

平滑筋

骨格筋や心筋が、外見上規則正しい横紋がみられる「横紋筋」であるのに対し、平滑筋は、筋節のない筋肉になっていて、疲れ知らずの筋肉です。

筋肉と骨は腱でつながっている

骨格筋、つまり筋肉は腱という強い組織によって骨と繋がっています。

ですので、骨格筋の両側は必ず腱となっているのですが、この骨格筋は両端にいくほど徐々に腱に変わっていき、骨につく部分で完全な腱となります。

ちなみに、この筋肉から腱へと変わっていく部分を「筋腱移行部」といいます。 まぁ、漢字そのままなので覚えやすいですよね。

f:id:tihabit:20171205125636j:plain

さて、さきほど腱は非常に硬くて強い組織だといいましたが、筋肉の場合は腱に比べ、非常に柔らかくなっています。

このことから、柔らかい「筋肉」が縮もうとしているときに、強い「腱」によって両側から引っ張られると、筋肉と腱の繋部分である「筋腱移行部」では筋繊維の断裂が起こります。 これが一般的には「筋肉離れ」と呼ばれています。

筋肉がまたぐ関節

殆どの筋肉は1つの関節をまたいで骨にくっついていて、1つの関節の運動を起こすだけですが、中には2つの関節を跨いで2つの関節の運動を引き起こす筋肉もあります。

代表的なのは、太ももの前側にある4つの筋肉が集まった大腿四頭筋の「大腿直筋(だいたいちょっきん)」で、これは骨盤からすねの骨にくっついていて、股関節と膝関節をまたいでいます。

また、「腓腹筋(ひふくきん)」は太ももの骨と踵の骨にくっついており、膝関節と足関節を跨いでいます。