運動単位
カラダは脳からの指令によって、筋肉が収縮し骨と骨とをつなぐ関節を動かすことによって、運動が行われる仕組みとなっています。
まず脳からの指令は、脊髄を通って、運動ニューロンと呼ばれる神経を経て筋肉に達し、筋肉が収縮します。 そして、この同時に収縮する筋繊維のまとまりのことを「運動単位」といって、運動単位は構成する運動ニューロンのタイプによって3つに分類されます。
FFタイプ
サイズが大きく収縮が速い反面、疲労しやすい。 動員されるのは白筋線維
Sタイプ
サイズは小さく、収縮も遅い。 しかし疲労しにくく、動員される筋繊維は赤筋線維
FRタイプ
先の2つの中間に当り、動員されるのは、FOG線維で、こちらも白筋と赤筋の中間にあたる
これによって、トレーニングを行うときは、どのタイプの運動単位を動員させるかによって、トレーニング方法は異なってきます。
ちなみに、この3つのタイプの筋線維の量は個人によって異なり、赤筋の割合の多い人、白筋の割合の多い人がいて、スポーツ選手の筋線維のタイプ別構成比を比較してみると、長時間走り続けるマラソン選手では赤筋が多く、瞬発的な力の必要な短距離選手では白筋の多いことが報告されています。
これは、先のFFタイプとSタイプの筋繊維の特徴を考えると、わかりやすいですよね。
トレーニングの原則
「ルーの法則」というものがあって、これはドイツの生物学者ルーが提唱したもので「人間の持つ機能は、使わなければ退化し、適度に使えば発達するけれど、使いすぎると萎縮してしまう」という法則で、「ルーの三原則」と呼ばれることもあり、現代のトレーニングにおける原則の基本といっても過言ではありません。
一般的なトレーニングの原則としては、5原則、7原則とありますが、おおむんr以下の通りとなっています。
トレーニングの5原則
- 「全面性の原則」
- 「意識性の原則」
- 「漸進性(ぜんしんせい)の原則」
- 「反復性の原則」
- 「個別性の原則」
トレーニングの7原則
「トレーニングの5原則」に以下を足したもの。
- 「過負荷の原則」
- 「特異性の原則」
これらの原則には、科学的に証明されたものと、経験によって知られたものがあり、青文字になっているものが科学的に証明されています。
最近、流行し始めているパーソナルトレーニングというのは「個別性の原則」である、各個人の年齢や性の違い、体力、体格、トレーニングの目的や経験などを踏まえたうえで、トレーニング内容を作成するという部分に焦点が充てられているといってもいいでしょう。
体重と筋肉のバランス
筋力の強さは、筋の断面積に比例します。
ですので、カラダが大きければ大きいほど筋の断面積も大きくなるので、筋力自体も強くなります。 とはいえ、体重あたりの筋力を考えた場合には、カラダか大きいということは、筋力の強さは相対的に小さくなります。
最大筋力
バーベルなどのトレーニングの中で、1度しか持ち上げることの出来ない重さを「最大筋力」といいます。 そしてその重さのことを「1RM」といいます。 この「RM」は、レペティション・マキシマムといって、筋力トレーニングを行う際の、実用的な負荷強度の基準となっていて、例を上げると「最大筋力」、つまり1度だけ100kgのバーベルを持ち上げられる場合は、1RMが100kgといい、50kgのバーベルを10回持ち上げられる場合には、10RMが50kgとなります。
またトレーニングによって、いままで50kgの重さがちょうどよかった重さが次第に軽く感じられ、カラダに負荷をかけるためには、さらに重さをアップしなければならないことがあります。
このことを「漸進的オーバーロード」と言って、筋肉は刺激が過度に高まれば、その機能は高まり、低ければ低下する傾向が強く、より強い刺激運動を継続に行うと、その刺激に対する適応能力が高まります。